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2018年04月07日

『褥瘡』の発生機序、好発部位、治療

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今回は『褥瘡』の発生機序好発部位治療までをまとめています。

 

褥瘡は統計学的に脳血管障害脊髄疾患に起因する場合が多く、寝たきり(寝かせきりの場合も多々ありますが)の高齢者の増加とともに増えています。

 

以前は褥瘡は治らない創といわれていましたが、創傷治療に関する研究、治療薬や材料の開発により治る創へと変わってきました。

 

 

【発生機序、発生要因】

褥瘡の発生原因は応力によるといわれています。
応力とは身体内部に発生する力を総称していい、圧縮応力、引張応力、せん断応力があります。
褥瘡は外力に対して身体の中に発生する力(応力)と時間が原因とされています。
体圧は骨突出部に集中し、圧迫による力は骨に近いほど大きくなります。そのため、見えない深部の組織に障害が及びやすくなります。

 

褥瘡の発生要因について

局所的には
摩擦・ずれ:ベッドのギャッチアップや体位変換時、移乗時に起きやすい。
失禁・湿潤:排泄物や発汗により皮膚に浸軟が生じやすくなる。
加齢による皮膚変化:皮脂減少に伴うドライスキン、表皮の菲薄化、皮膚バリア機能低下が起こり、物理的刺激に弱くなる。

 

全身的には
低栄養:浮腫や低ヘモグロビンで組織の耐久性が低下し、創傷治癒におおいに影響します。低栄養が進行するとやせ、骨突起が著明となり一層褥瘡が発生しやすい。
基礎疾患:脳神経疾患、脊髄疾患による運動機能や知覚機能低下、うつ病など精神活動の低下がある場合に起きやすい。
薬剤、放射線:組織の耐久性を低下させ、易感染や創傷治療遅延をきたしやすい。

 

社会的には
介護力不足:人手不足で十分なケアができない場合や、介護者自身が身体的な支障をかかえている場合がある。
経済力不足:予防用具など福祉サービスの活用はあるが個人負担も大きい。

 

 

【褥瘡の好発部位】

骨突起に好発するため体位により異なるが、多くの患者は仰臥位(仰向け)で臥床しており、仙骨部に体重が集中します。
入院や在宅のケースでも、褥瘡は仙骨部が50%を占め、次いで足・足関節部となっています。
また、車いすの座らせきりにより、尾骨部の発生も多くみられます。

 

【褥瘡の治療】

1.徐圧

すでに褥瘡となってしまった創に対しては、当然徐圧を図る必要があります。
病院では2時間ごとの体位変換を行うが、在宅では介護者の負担が高く厳しいです。
そのため、予防用具を併用して患者の状態により体位変換を行っていくことになります。
急性期の脳血管障害で麻痺のある場合は、麻痺側を長時間下にしないように注意をする必要があります。

体位変換は座位においても必要といわれており、自分で臀部を持ち上げられる場合は15分おきの座り直しが良いとされています。
自分で臀部を持ち上げられない場合は1時間が限度になります。

 

2.栄養管理

褥瘡があると出血や浸出液の漏出により低蛋白やヘモグロビンの低下が起こりやすいです。アルブミン値を3.0g /dl以上保たなければ治癒は望めないとされています。
つまり、タンパク質の摂取が重要になるということです。

また、亜鉛、銅、ビタミンA、ビタミンCは繊維芽細胞がコラーゲンを作るときに必要といわれていることから注目すべき栄養素になります。

褥瘡が悪化するケースでは低ナトリウム血症が認められていることがあり、電解質の補正も重要になります。摂取エネルギーとしては、25〜30kcal/kg /日を目安とします。

栄養補給は経口摂取が基本となります。嚥下障害のある場合は、増粘剤の使用や半固形状のものを選択します。できるだけ自力で摂取できるように工夫をして、脳の働きを促すのが良いです。

 

3.局所のケア

(1)創面の清浄化

①壊死組織除去
褥瘡発生2週間前後には壊死と健常組織との境界がはっきりしてきます。早期治療を図るためには壊死組織の除去が必要になります。
方法は観血的な方法と非観血的な方法があり、その方の状態によって選択をします。
積極的に壊死を取り除かないときは薬剤の効力で悪化を予防したり、感染を予防することができます。
壊死は深部に感染巣を招き、ときには生命を脅かすことになりかねません。
そのようなとき、浸透性のよい乳剤性基剤を使用するのが好ましく、局所に抗生物質の軟膏を使用しても浸透性がなく効果は薄いです。抗生物質は全身投与したほうがよいとされています。

 

②消毒・洗浄
消毒の必要性については、様々な考え方がありますが、感染のリスクが高いときは必要といえます。
消毒液は細菌に対して効果があるといわれますが、一方では細胞毒性があるといわれています。したがって、肉芽形成期には用いないほうがよいとされています。
また、浸出液中の蛋白質により不活性化しやすいために、浸出液の多い創では消毒をせずに生理食塩水のよる洗浄の方が好ましいです。
洗浄方法としては、消毒液を使用したときは1分後に洗い流すのがいいです。
また、創部のみのケアにとどまらず、可能な限り石鹸を用いて入浴やシャワーで洗い流すのがいいです。

 

(2)浅い褥瘡

Ⅰ度の発赤レベルでは経過をみます。
排泄物の影響を受ける際は、ポリウレタンフィルムで保護をしたり、サニーナやユニサルブなどの撥水剤を使用します。

Ⅱ度で水泡の場合もポリウレタンフィルムで保護をします。
あまりに緊満しすぎているときは浸出液を注射器で抜く方法もあります。

 

(3)深い褥瘡

①黒色期
この時期は外科的デブリドマンが推奨されています。
在宅ケアの場合は出血しないレベルにとどめておきます。
外科的にできないときは、化学的デブリドマンを行い、除去に努めます。
化学的デブリドマンは蛋白分解酵素多用剤を用いることが多いため、注意点として、必ず蛋白分解酵素に拮抗作用をもつ、イソジンを洗い流さなければならないことです。
また、健常皮膚にも付けないようにすることが必要です。

化学的デブリドマンに使用する薬剤は感染に対して強くないため、感染予防に努める創の場合は、抗菌作用や殺菌効果のある薬剤を用います。
具体的には、浸出液の多いときは、イソジンゲルやユーパスタを用います。
浸出液の少ないときは、ゲーベンクリームを用います。

 

②黄色期
治療の中心は黄色の壊死除去にあり、外科的に除去ができるといいです。
創面に肉芽組織が現れるまで続けられ、非常に感染を合併しやすい時期になるので注意が必要です。
創は比較的浸出液が多く、壊死は軟化している場合が多い。
浸出液のコントロールと壊死除去のためにデブリサンやカデックス軟膏などの高分子ビーズの使用がすすめられます。使用時は大量の生理食塩水で洗い流し、創面に薬剤が残留しないようにします。
創を覆うガーゼの枚数は厚くしすぎないように極力注意をし、1cm以下になるように吸引力のあるパッドの利用を心掛けます。

 

③赤色期
壊死が除去され肉芽組織が盛り上がる時期です。
処置は生理食塩水による洗浄とし、消毒薬の使用時は洗い流さなければなりません。
この時期は、プロスタンディンやオルセノンなどの肉芽形成作用のある薬剤が使用されます。
赤色期はまったく感染を起こさないわけではありません。
この時期に使用する薬剤は感染には弱いものが多く、そのため万一感染を疑ったときは黄色期と同様に感染に強い薬剤に変更をします。
感染発生時は浮腫性の肉芽となり、浸出液の性状が変化してくるので見分ける必要があります。

 

④白色期
創が収縮し、上皮化が進行する時期です。創面の湿潤環境を保持する治療を続けます。悪化予防を考えて、ハイドロコロイド材の使用やポリウレタンフィルム材を使用します。在宅の場合は上皮化を進めるプロスタンディンやアズノールなどの薬剤を選ぶと良いです。
ガーゼを使用する場合は創に固着しないように十分気をつけ、上皮化を妨げないようにします。

 

⑤感染創
感染は治癒を妨げるのに1番悪い状態です。
深部に膿が貯留している場合は速やかに切開排膿を行い、十分な洗浄と感染に強い薬剤を使用していきます。創の密閉は禁忌とされています。
感染は早期に発見されるとは限らず、分かりにくいときもあります。
在宅の場合も含め、感染徴候が確認された時点で対応が始まります。
褥瘡から細菌が検出されただけで感染と思い込まない事が大事です。必ず創には細菌が付着していることを忘れないように注意をします。

 

⑥ポケットを有する創

ポケットは可能な限り内部をよく観察することから始め、十分な洗浄が必要になります。
壊死や不良肉芽がある場合は、除去や切開・開放が必要になります。その方の状態により除去方法は異なります。
壊死がなければ肉芽形成作用のある薬剤を馴染ませたタンポンガーゼを入れるか、アルギン酸などを用います。
この場合に詰めすぎないことが大事になります。
壊死除去がしっかり確認されないとき、全身状態が不良で積極的なケアが望めないときは感染予防を目的にして薬剤を選択します。

 

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