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2018年12月05日

『転倒の要因』と『予防対策』

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こんにちは、大阪市・堺市を中心とした大阪府全域で事業展開をしている『ブリッジ』 自費訪問リハビリテーション(自費リハビリ)・出張パーソナルトレーニングの橋本です。

 

 

『転倒予防』をどのようにして行うのかはリハビリテーションを行う上で非常に大切な課題です。

 

 

また、『転倒』は家族様、施設様にとっても非常に頭を悩ますものです。

 

 

この『転倒予防』ですが、一概に「この方法を行えば大丈夫」というものはありません。
なぜなら人はそれぞれ身体の機能も、状態も違うからです。

 

 

また、どのような場面を想定して転倒予防対策を考えるのにもよります。

 

・ベッドからお1人で起き上がろうとして転倒する(ベッドから落ちる)

・車いすから急に立ち上がられて転倒する

・歩行中に何らかの要因で転倒する

 

など色々な場面が想定されます。

 

 

在宅高齢者の年間転倒事故発生率は20%前後と報告されています。
施設入居の方でも転倒の報告はよく聞きます。

 

 

転倒予防教室など身体機能を向上させることでの解決は有効との報告が多いですが、認知機能に問題をおもちの脳損傷(脳卒中など)がある人には必ずしも効果が期待できない対策でもあります。

 

 

「身体機能の向上」ももちろん大切ですが、むしろ「転倒しても重大事故に至らないような工夫」も必要になります。
この2つの要素を組み合わせることで大きな効果が見込めると思います。

 

 

この記事では、

 

【1. 転倒の要因(内的要因、外的要因)】

【2. 転倒の影響】

【3. 転倒事故対策】

 

について説明をしています。

 

 

 

【1. 転倒の要因】

1)転倒しやすいケース(内的要因)

 

[加齢]

年齢が増すに従って転倒の危険性は増大します。
65歳以上の在宅高齢者の年間転倒発生率は20%といわれています。
筋力や認知機能の影響を受けています。

 

 

[転倒歴]

過去1年以内の転倒経験は、その後の転倒発生のきわめて強い予知因子とされています。

 

 

[身体的疾患]

神経系疾患(脳血管障害、パーキンソン病、小脳疾患、脊髄疾患、アルツハイマー病など)、リウマチ、筋疾患などの運動器疾患、立位姿勢保持やバランス(協調性)の障害があるケース、起立性低血圧、洞不全症候群や排尿などによる失神が転倒に結びつきます。
視力障害や失認、半側空間無視などの高次脳機能障害は特に転倒への注意が必要です。

 

 

[運動能力]

身体機能からみると、Barthel indexで30点から50点の要介助項目の多い人が転倒しやすいですが、著しく介助料の多い人ではかえって転倒事故は少なくなります。

 

 

歩行をされている人の中で転倒が1番多いのが「歩行器」を使用しているケース。
2番目が「独歩」、3番目が「車いす使用」の人になります。

 

 

つまり、危険なのはベッド上の動作はほぼ可能であるが、立位が絡む動作(移乗動作:ベッド⇆車いすなど、トイレ便座への移乗やズボンの上げ下げなど)に見守りが必要な程度の不安定さを有する人です。
そのような状態の人が介助者を呼ばずに(呼んでもなかなか来てくれないから)自力で行おうとして事故が起こってしまうケースがしばしばあります。

 

 

2)転倒を引き起こす環境要因(外的要因)

 

ある調査では、転倒事故の起きる場所の第1位は「居室」となっています。
病院や施設ではベッド周囲での転倒事故が多く、ベッド⇆車いす、ベッド⇆ポータブルトイレへの移乗の際に注意が必要になります。

 

 

車いすについてはブレーキをかけ忘れたまま立ち上がったり、座ったりすることが1番の危険因子になります。
現在では、立ち上がる前に自動でブレーキがかかる車いすが出ているので、ブレーキをかけ忘れる人にはとても有効だと思います。

 

 

また、しばしばみられるのがブレーキの調整不良により、ブレーキをかけていても車いすが動いてしまう場合です。
この状態は危険なので、早急にブレーキ調整が必要になります。

 

 

車いすの乗降時にフットレストを踏んだり、足を引っ掛けて転倒することもあります。
フットレストの上げ下げが面倒だからと常に下げたままの状態にしておくことは危険です。

 

 

そして、ベッド柵の固定がきちんと行われておらず、つかまっていた手すり(一部ぶが可動式のタイプは要注意)が動いてしまい転倒することもあります。

 

 

福祉用具導入の際には、使用者が高齢者であることや、認知症、高次脳機能障害の有無を考慮しなければなりません。

 

 

次に多いのは、廊下などでの歩行中の転倒です。
手すりを使用して歩くようにお伝えしていても、部屋のドアのある場所や廊下の分岐部には手すりがつけられないので、歩行の不安定な方が歩行器を使用せずに歩いたり、歩行器が先走ってしまって転倒ということも多くみられます。

 

 

最近の歩行器はブレーキ付き歩行器のタイヤの抵抗を調節できるタイプが出ているので、その人に合った福祉用具を選定するようにします。

 

 

3番目に多いのがトイレでの転倒事故になります。
トイレでの移乗の際には、立位での方向転換、立ったままでのズボンや下着の上げ下ろしなど、ながら作業となり注意が分散しやすくなります。

 

 

特に、神経因性膀胱のある人では、切迫尿失禁があり慌てての便座への乗り移りとなるので気をつけなければなりません。

 

 

排尿後に副交感神経緊張により血圧が下がることから失神が生じることがあります。
普段から起立性低血圧がみられる人は、トイレ時には特に気をつけなければなりません。

 

 

家庭での転倒事故は、電気コード、畳の縁、マットの縁のめくれ、床の上に不用意に置かれた物品、床が濡れている場合など、ほんの些細なことが転倒事故につながってしまします。

 

 

履物はスリッパやサンダルを履いていると、転倒につながりやすいです。
また、照明が不十分で暗いと障害物に気づきにくく、危険になります。

 

 

 

【2. 転倒の影響】

 

転倒は65歳以上の高齢者が要介護状態になってしまう原因の中で、脳血管障害、衰弱、についで3番目の原因になっています。

 

 

転倒による受傷部位は頭部、顔面が最も多くみられます。
転倒した場合の重大な結果としては、大腿骨頸部骨折あります。
そのほかにも橈骨遠位端骨折上腕骨頸部骨折脊椎骨折も転倒に伴いやすい骨折になります。

 

 

大腿骨頸部骨折を起こしやすい人の特徴としては、転倒方向が後方や側方で殿部への衝撃が加わる転び方であることや、骨が衝撃に弱い(骨粗鬆症)こと衝撃を緩和する股関節周囲の軟部組織(筋肉や脂肪)が少ないことが挙げられます。
これはやせ形の高齢女性に当てはまります。

 

 

転倒を経験すると恐怖心から活動範囲が狭くなり、ADLの低下や寝たきりにつながりかねません。
これは「転倒後症候群」といわれます。

 

 

 

【3. 転倒事故対策】

 

1)転倒予防

①環境

 

[手すり]

トイレ、浴室、廊下、ドアなどの要所に手すりを設置します。
トイレの手すりには縦型式やL字型が有効です。

 

 

手すりは、取り付ける場所や手すりの高さ・長さなど、その人に合わせて設置することが大切です。

 

 

[ベッド、椅子、ポータブルトイレ]

滑って動くことがないように、床にきっちりと固定をします。

 

 

[床面]

滑りやすさに注意をします。
靴下を履いている状態で、畳で滑ってしまうこともあります。
ベッドの下などに滑り止めマットを使用するのも有効です。

 

 

[照明]

十分明るくすることで小さな出っ張りなどに気づきやすくします。

 

 

②福祉用具

[歩行器、シルバーカー、多点杖、サイドケイン]

これらの福祉用具により、安全性は向上し、運動の機会も増えるので、身体機能向上が得られる可能性があります。

 

 

[車いす]

移乗動作の際に、立って向きを変えるときに転倒する危険性が高いです。
車いすの腕置き(アームサポート)が跳ね上げられるタイプは、ベッド⇆車いす間を横移動することも可能になります。

 

 

ただし、車いす利用の方にはリハビリテーションで歩行の機会を別にとらないと、筋力の低下も含めて、起立・歩行能力の低下につながるので、転倒の危険性が上がっていく可能性があります。

 

 

③介助者と本人への意識づけ

一度転倒をした人は再度転倒する可能性が高いので、転倒予防策を考えなければなりません。
転倒のリスクが高いと考えられる人は、転倒の原因で最も多いとされている、「移乗動作(ベッド⇆車いす、車いす⇆トイレ)」については介助を受けるように促す必要があります。

 

 

お一人で動いてしまってベッドから転落する可能性のある人については、頻回の見守りや、ベッドから降りたら警報が鳴るようなシステム(病院や施設ではセンサーマットがベッド下や居室入り口などに設置され、使われています)の導入も検討が必要です。

 

 

高次脳機能障害の半側空間無視など、本人に病識が乏しい場合は、リハビリテーションの訓練で本人の意識づけを促す試みも必要になります。

 

 

④身体機能の向上

転倒を予防するには歩行、運動(筋力、バランス能力)を向上させることが重要です。
また、万が一の転倒の際に防御姿勢をとれるようにすることで骨折などの重大な結果に至らないようにすることを目指します。

 

 

2)転倒によるダメージの軽減

 

第一は転倒しないようにすることが大事なのですが、万が一転倒した時のことも考えておかなければなりません。

 

 

[床]

転倒時の床の衝撃吸収性は骨折に至るかどうかの分かれ目になることがあります。
床の構造としては、「ころばし根太」などの組床下地が衝撃吸収という観点からは効果的です。

 

 

床材としては畳が衝撃吸収性に優れていますが、畳の目によっては靴下を履いている時に滑りやすくなるので注意が必要になります。
複合ビニル床シートの下にビニル床下地用シートを用いることも効果的です。

 

 

現実的に考えると現在住んでいる家の床素材を変えるのは難しいかと思います。
家を新築かリフォームする際には検討しやすいかと思われます。

 

 

[ヒッププロテクター]

股関節にあたる部位にプロテクターを装着できるようにした「ヒッププロテクターパンツ」を装着することで、大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折に対する予防効果が得られます。

 

 

色々と書きましたが、転倒予防に100%有効な方法はないのが現状です。
しかし、環境設定やリハビリテーションによる身体機能の向上によって転倒リスクは減らせます。

 

 

今後はAIやテクノロジーの進歩により、今よりもはるかに性能の高い機器がでてくると思います。
こういったものも、上手く使っていければ転倒を減らしていけるのではないかと思っています。

 

 

『ブリッジ』は大阪市・堺市を中心とした大阪府全域に「自費訪問リハビリテーション(自費リハビリ)」「出張パーソナルトレーニング」の事業展開をしています。
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