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2019年02月22日

高次脳機能障害『失認』とは

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こんにちは、大阪市・堺市を中心とした大阪府全域で事業展開をしている『ブリッジ』 自費訪問リハビリテーション(自費リハビリ)・出張パーソナルトレーニングの橋本です。









この記事では高次脳機能障害「失認」を説明しています。
一言で「失認」といっても様々な症状があります。





失認





物を見たり、聞いたり、触ったりして、それが何であるかを判定するには、それらの感覚路とこれを認知する大脳の機能が正常でなければなりません。





こうした感覚路(視覚、聴覚、触覚など)を通じて対象が何かを判定することができないことを失認(症)といいます。





ただし、認知症や意識障害があるときにはこのような症状があっても失認とはいいません。









視覚性失認 Visual Agnosia





日常用いている物を見てもらっても、それが何であるかがわからない。すなわち視覚による物体の認知障害で、使用法も説明できないのを「視覚性失認」といいます。





触ったり、音を聞いて初めて分かることが多いです。
両側の後頭葉が侵されたときに生じ、原因はほとんど両側後大脳動脈閉塞によります。
まれに左後頭葉の一側性病変で起こることもあります。





色紙を用いて、色彩がわかるかどうかを検査します。
この際、色盲表を用いて数字を読んでもらい、色盲でないことを確認しておきます。
色彩についての障害は「色彩失認 color agnosia」優位半球(左)の後頭葉の障害によって起こります。





字を読めない「失読」は失語に伴う失語性失読を除いては後頭葉性失読(失書を伴わない失読)頭頂葉性失読(失書を伴う失読)に分けられます。





後頭葉性失読は純粋失読 pure alexiaともよび、視覚性失認の一型です。
これは優位半球(左)後頭葉脳梁膨大の障害で起こります。





物体を認知することができるが、人の弁別表情の理解などができないのを「相貌失認 prosopagnosia」といいます。
劣位半球(右)また両半球の後頭葉症候とされています。





「視覚性同時認知障害 simult agnosia」とは、視覚刺激を同時に総合的に認知することの障害で、視覚性全体把握障害ともいわれます。





たとえば、一定の情況を描いた図の細部はわかるが、全体の意味が了解できないものをいいます。
ことにつづき絵の漫画などがわかりません。
優位半球(左)側頭−後頭葉症候ですが、びまん性病巣によるものもあります。









視空間失認 Visual-Spatial Agnosia





視空間的情報の知覚と操作に関する障害です。





a)視覚性定位障害 Visual Disorientation





対象物が空間内のどこにあるかを認知することができないとか、複数の対象物の相互の位置関係や大きさを比較する能力などが障害されます。
一側頭頂葉障害では反対側空間に出現します。





b)半側視空間失認 Unilateral Visual Spatial Agnosia、半側空間無視 Hemispatial Neglect





視空間的情報の障害で最も代表的なのが、半側視空間失認です。
これは一側大脳半球の障害により、病巣と反対側の視空間を無視することです。





重症になると視線を障害側に向け、反対側を見ようとしないとか、歩行時に次第に障害側に片寄るとか、病巣と反対側にある障害物にぶつかるといった現象がみられます。





軽いものでは以下のような試験で症状をとらえることができます。





①直線の2等分

②線分抹消テスト

③図形模写

④時計描写





半側視空間失認の病巣部位としては、右頭頂葉ことに右頭頂・側頭・後頭葉の接合部が重視されてきましたが、右半球の他の部位の障害でも出現することが知られています。





c)地誌的障害 Topographical Disturbance





・地誌失認 Topographical Agnosia

地図の上での見当識障害で、日本の白地図によく知られている都市の所在を示すことができなくなる。
責任病巣は右頭頂葉後部右海馬とされています。





・地誌的見当識障害 Topographical Disorientation

よく知られているはずの場所や道を認知することができなくなります。
よく知っている場所で迷子になってしまいます。
右頭頂−後頭葉の障害によるものとされています。





d)バーリント症候群 Balint Syndrome





この症候群は以下の3症候から成っています。





・精神性注視麻痺 Psychic paralysis of gaze

視線が一点に固定します。
しかし一点を凝視していないときには視線はあちこちと動きます。





・視覚性運動失調 optic ataxia

凝視したものをつかもうとして手を出しても、大きく見当がずれてしまいます。





・視覚性注意障害 disorders of visual attention

視覚性の刺激に対する注意が低下しており、注視した狭い視野にしか注意を払うことができない。
音などの刺激には正常に注意します。

バーリント症候群は両側の頭頂−後頭葉の広範な病巣で起こります。









聴覚性失認 Auditory Agnosia





a)精神聾 psychic Deafness





あらゆる音(音声、音楽、雑音)が聞こえるのに、それを識別したり、認知することができないことを精神聾とよびます。






しかし、これは古典的概念で、現在ではわかりにくいものとされています。
これに該当するものは狭義の聴覚性失認で、言葉や音楽を除く、あらゆる音への認知障害です。





b)純粋語聾 Pure Word Deafness





言語の了解だけが侵されているものです。
純粋感覚性失語で、病巣は左側のウェルニッケ野、または両側側頭葉(第一次聴覚野)とされています。





c)感覚性失音楽(症) Sensory Amusia





脳障害のために音楽能力が喪失したり、障害された状態を失音楽(症) amusiaとよびます。





このうち樂音を発声できないものを「運動性失音楽(症) motor or vocal amusia」、樂音の理解ができないものを「感覚性失音楽(症) sensory amusia」といいます。





失語がある人で、失音楽を伴うことがありますが、失語があっても歌唱能力が保たれている例、失語がないのに失音楽を呈する例もあります。





運動性失音楽の病変は右半球とされ、側頭葉障害がやや多いですが、前頭葉障害によるものもあります。
感覚性失音楽は両側側頭葉障害純粋語聾に伴ってあらわれることが多いです。





d)皮質(性)聾 Cortical Deafness





大脳皮質損傷で聾が起こることは疑問視されています。
現在では、一側性の側頭葉障害、純粋に皮質だけの限局性障害では純音聴力にはあまり影響はあらわれないとされています。





したがって純音域値が明らかに上昇している場合には障害は両側性で、しかも皮質下にも及んでいると考えられています。









触覚性失認 Tactile Agnosia





日常用いている物を手でさわっても、それが何かわからないものを「触覚性失認」といいます。
これには触れたものの材料(金属・紙・布など)がわからない「素材失認」、素材も形もわかるが物品名がわからない狭義の「触覚性失認」などがあります。
病巣は一側の頭頂葉で半球優位は明らかになっていません。









ゲルストマン症候群 Gerstmann Syndrome





これは以下のような4つの症候を示すものをいいます。





a)手指失認 Finger Agnosia





最も大切な症候で手指がわからなくなります。
試験は本人にある指を示すように伝えます。
例えば「あなたの左の母指(親指)を出して下さい」と伝えます。
つぎに検者(検査をする人)が触れた指が、何指であるかをいってもらいます。
最後に「私の中指をつかんで下さい」というように、検者の指を用いて検査をします。





b)左右識別障害 Right-left Disorientation





左右がわからなくなることです。
「左手を上げてください」、「右手であなたの左の耳をつかんで下さい」などと伝えます。
また、「私の左手をつかんで下さい」と伝えます。





c)失書 Agraphia





自発書字と書取りが侵されます。
写字は良好なことが多いです。





d)失計算 Acalculia





暗算も筆算も侵されます。





ゲルストマン症候群は以上の4つの症候をもつものが典型的ですが、1あるいは2症候を欠く不全型もしばしばみられます。
4症候の中では手指失認が最も重要視されており、ついで左右識別障害になります。





この症候群には感覚性失語(症)あるいは構成失行、失読などの合併が多く、本症の独立性に疑いをもつものもあります。
病巣は左半球の頭頂−後頭葉移行部、ことに角回とされています。
本症候群は脳血管障害、脳腫瘍などで起こります。









身体失認 Asomatognosia





身体認知の障害で、つぎのようにわけられます。





a)両側身体失認





両側の手指失認はゲルストマン症候群の重要な一症候です。
「自己身体部位失認 autotopagnosia」とは身体部位を指示したり、呼称することができない状態のことです。
病巣は多くは両側性で、頭頂−後頭葉の広範囲に及んでいます。
一側性の場合は左半球に障害があるとされています。





b)半側身体失認





・病態失認 Anosognosia

(左)片麻痺があるのに、これを否認するのをBabinski(1914)はanosognosiaとよびました。
Anton(1983)が同様な症例を報告していることから「アントン・バビンスキー症候群 Anton-Babinski syndrome」ともよばれることがあります。

Antonは皮質盲・皮質聾の否認を報告し、これらは「アントン症候群 Anton syndrome」とよばれています。

現在、病態失認は普通は片麻痺の否認を指します。
脳血管障害による右頭頂葉障害の急性期に起こることが多い症状です。





・半側身体失認 Hemiasomatognosia

身体半側を無視し、運動麻痺がなくても無視した側の上肢を使おうとしない、右頭頂葉障害により左側に出現することが多く、半側視空間失認を伴うことが多いです。





・半身喪失感

身体半側をまたはその一部がなくなってしまったと訴えます。
喪失感のほか、変形感、異物感などの訴えもあります。

病巣は視床を含めて頭頂葉皮質下が重視されており、左右の別はないとされています。
脳血管障害の急性期に起こることが多いです。









どうでしょう。『失認』の症状は実に様々なものがあります。
こういったことを知っておくと、家族さん、患者さん、利用者さんへの接し方が変わってくると思います。





『ブリッジ』は大阪市・堺市を中心とした大阪府全域に「自費訪問リハビリテーション(自費リハビリ)」「出張パーソナルトレーニング」の事業展開をしています。
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